【書評】 三枝匡 三部作 [ビジネス]
三枝匡氏は、経営再建のプロフェッショナルとも言える人物で、経営コンサルタントの草分け的な存在です。
【三枝匡氏 略歴】 http://www.misumi.co.jp/company/management/ceo.html
数多くの不振企業の立て直しを行ってきた中、現在は「ミスミ」の社長として、優良企業においてもその経営手腕を如何なく発揮されています。 その三枝氏の著書は、現存する経営コンサルタント会社だけでなく、多くの企業の経営者や、経営に関わるミドルに至るまで愛読されているという事です。 内容は、小説風に仕立てられて非常に読みやすく、しかし、経営についてのエッセンスが凝縮されており、まさに「経営のバイブル」とも言えます。
-------------------------------------
大企業に籍を置く若手社員が、提携先の中小企業で経営参謀として営業を中心とした戦略を進めていくストーリーです。 営業戦略におけるロジックとプロセスを中心としたストーリーで、営業ミドルにはお勧めしたい良書です。
-------------------------------------
大企業と業務提携したベンチャー企業が、経営悪化により倒産しかかった中、大企業より派遣された若き新社長を中心に、「創って作って売る」という理念を基本として会社再建に取り組んでいくストーリーです。 「開発」「製造」「営業」「経理」などについて、経営者はどういう視点で考えて判断していかなければいけないのか、そうした要素が詰まったストーリー展開です。
-------------------------------------
斜陽の大企業において、その足枷となっている事業部の再建に取り組むストーリーです。 事業部とは言え、年商400億円規模の大組織で、大企業独特の官僚組織と危機感を感じない社員たちの中で、主人公が眠れる志士を見出し、事業清算の危機からまさにV字で収益を改善していきます。 前書「経営パワーの危機」を、更に巨大組織に対しての取り組み方で綴った「三枝三部作」の最高峰の良書であります。
-------------------------------------
私自身、現在年商60億円規模の事業部の経営再建に取り組む上司の直下で働いていて、自身の仕事において、三枝氏の著書に書かれている「ポイント」の多くが、上司である部門長の行動施策に共通する点が多く、「経営」という視点で物事を見据える事が出来、云わば仕事をする上での「参考書」として三枝三部作は繰り返し愛読しております。
コメント 0